裁判傍聴日記「被告人は証言台へ。。。」6

久々の裁判傍聴。いつもの横浜地裁へ。いつもの夜勤明けに。

それでは開廷します。

①404号法廷 【判決】 過失運転致傷 道路交通法違反
信号無視して車と衝突して被害者頸椎捻挫全治16日。でもって救護義務を怠り警察に一報せず。飲酒してるからね~。そんなことしてまたある日信号無視して2輪車と接触し被害者脱臼全治4か月。であえなく御用。前科がなかったんで執行猶予4年懲役1年6月の判決でした。

裁判が始まる前施設内トイレ(大きい方)に携帯を忘れたオレ。思い出してとりに行くけどどなたか入ってるご様子。なっかなか出てこないんだけど間違いなくこの中に置きっぱなはず。ちょっと離れたところでご利用者様が出てくるのを待つこと数分。ガチャっと中からオレの携帯持って出てきたヤンチャそうなお兄さん、「?これ?」と手渡してくれました。「あ、はいそれ自分のですありがとうございます。」とオレ。

その後この裁判を傍聴しているとあらビックリこのお兄さんが被告人でした。先ほどはありがとうございます助かりました!!



②404号法廷 【新件】 傷害(児童虐待)
被害者が子供なだけに審理中住所や名前はいっさい口にしてはいけない約束ですすみます。ジーンズ姿の被告人、年のころは30才くらいでしょうか憔悴しきったオーラ。

妻との間に、連れ子(養子)の長男と次男実の子三男1才と四男0才

ある日登校途中に6才の長男が特別学級の児童に抜かされたことに腹を立て転ばせる問題を起こし学校から連絡がある。自宅で長男に事実なのかと問うととぼけた答えをした為その態度に腹を立てしつけの意味で自宅マットレスの上に投げ飛ばす。床ではなくマットレスだったのは怪我させたくなかったから。その後往復ビンタ一回

翌日様子が変なので病院へ連れていくと左鎖骨骨折全治2ヶ月している。そのことから児童相談所が介入し事件となる。

長男は被告人をいつも父ちゃんと呼び、一緒にお風呂に入ったり、公園で遊んだりとごく普通の親子である。だが被告人は以前から子供に手を出す傾向があり包丁をだして殺すぞという発言もしている。首をつかんで壁に叩きつけたりも。その長男は幼稚園の頃他の園児の物をとったり、転ばせて骨折させたりといった問題行動有り。小学校でも同級生に殺すぞと言ったりしていて先生には家でも親からそう言われていると伝えている。

証人として妻が証言台に。妻は被告人から暴力を受けたことはない。日々の子育てに追われ自分自身いっぱいいっぱいだったこともあり投げ飛ばされる直前で止めにはいることができなかったと。今後は被告人と子供だけにする状況はつくらないようにする。被告人が怒り出したら一人にさせ落ち着かせる。それでも子供に暴力を振るいそうになったら必ず間に入り子供を守る市のボランティア職員にも定期的に応援にきてもらうと宣言。これからは三男四男を保育園に預け夫婦共働きで頑張っていくとの事。

被害者である長男とその弟である次男は、被告人と離縁し、現在は実の父親(妻からすると別れた前夫)に引き取られた。毎月3万円を20才まで示談金として要求されたが現在無職経済的理由から不可能で示談は断念。

被告人自身も幼いころからしつけとして虐待をされてきていたという過去。手をあげたことを強く後悔しているという被告。本当はとっても優しい父親なんだと伝わってきました。妻も傍聴席ですすり泣きながら。。。

子育てって育児本通りになんていかないんです。なんとも考えさせられる新件でした。求刑2年判決は5月9日13:20同法廷。



③404号法廷 【新件】 覚せい剤取締法違反
金髪ジャージ姿の被告人、36才女性。窃盗の前科有り。交際相手の密売人Oホテルの客室内で首右側に覚せい剤を注射。ホテルから出てきたところ職質、任意で尿検査で陽性反応で御用。

中3からシンナー高1から大麻に覚せい剤高校中退。16才で知り合ったOとの間に19才で出産、結婚はしていない。出産してから薬物から手を引くが23才の時に知り合った交際相手から再び覚せい剤の世界へ。覚せい剤はお金を払って入手したことはない。お金を払ってまでしたいとは思わない。

数年前に密売人Oが子供の誕生日に子供と連絡を取ったことから再び付き合い始めるが別れたり復縁したりを繰り返す。理由はまじめに働かないし暴力が激しく警察に被害届を出したこともある。

今回逮捕のきっかけになった覚せい剤を注射した日はなんと子供の高校受験前日。深夜仕事が終わりOが電話をかけてきて会いそのままホテルに連れていかれ注射するよう強要される。断りたかったが断るとまた暴力を振るわれるので怖くて言われるがまま注射してしまう。

拘留されてた為、子供の中学校卒業式高校入学式には出られず。代わりに飲食店を営む母親が赤字経営のところお店を休業して子供の各行事の対応したり被告人の面会にきたりと親族にも迷惑をかけてしまった。

Oの連絡先を抹消し、携帯も変え、住居も資金が準備できたら引っ越し完全にOとの関係を断ちたい。Oが子供と連絡を取ってきた場合は子供にはしっかりと説明し連絡をとらないよう伝える。保護観察所に毎月尿を提出し薬物からもしっかりと縁をきりたい。

壮絶な人生だった様子ですがまだ若い。子供の為にもしっかりとやり直して欲しいです!やり直せるはずです

求刑1年6月判決4月26日16:30同法廷

今回も実際に世の中で起きてる出来事を3つ傍聴しましたが、同じ薬物の事件でも10件あれば10の背景があり考えさせられます。やはりフツーの日常どれだけ幸せであるか改めて思いました。もっともっとフツーを大切にしたいです

帰り道横浜スタジアムのある横浜公園を通過したけどチューリップが満開でした。やっぱりお花はいいですね。

裁判傍聴日記「被告人は証言台へ。。。」はまだまだ続く。。。

ではではっ✋


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